「ファネルへの侵入を防げ!」マーケティングにおけるボット対策が重要な3つの理由 | CHEQ

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数週間前、仕事関係で少人数の会合に参加した際、2人のマーケターがセキュリティについて話しているのを耳にしました。彼らは、ボットが Web サイトにアクセスしてきたことや、顧客管理システム(CRM)に偽のリードが侵入していることについて、メモを取りながら、マーケティングにおけるセキュリティ戦略について議論していました。5~6年前、マーケターがサイバーセキュリティやボット対策について議論する姿は、想像できませんでした。しかし、今日、不正トラフィックをファネルから排除するためのセキュリティ戦略は、マーケティングの必須アイテムになりつつあります。

マーケティングセキュリティの導入が拡大している理由

これまで、ボットや偽ユーザーへの対策は、IT 部門が担当するのが当然と考えられてきました。ボットは、クレジットカード情報を盗み、アカウントを乗っ取り、システムやインフラをクラッシュさせたりします。しかし、過去数年の間に、不正トラフィックはセキュリティをリスクにさらすだけでなく、事業や、株価、予算、マーケティングファネルに関わるデータや情報などに影響を与え、ビジネス全体に対する脅威であることが認識されるようになりました。この記事では、マーケティングセキュリティが急速に新しい業界標準になりつつある、3つの理由を説明します。

1. 不正トラフィックによるマーケティング効率の低下

デジタルマーケティングにおいて、業務効率化は重要課題のひとつです。「どうすればより低価格でより多くのクリックを得られるか?」「どうすればコンバージョン率を上げられるか?」「どうすれば、理想の顧客特性(ICP)を絞り込めるのか?」マーケターが日々取り組んでいるこうした課題は、全て業務をより効率化するためのものです。

マーケティング効率化のための方法としては、顧客獲得費用(CAC)や顧客獲得単価(CPA)の縮小、契約金額の拡大、契約サイクルの短縮などがあります。そして、これらを実現するために、広告コピーのA/Bテスト、ターゲティング広告の試行錯誤、オーディエンスのセグメント化、データ分析などに対して、マーケティングチームは多くの時間を費やしています。しかし、マーケティングファネルにボットや偽ユーザーが侵入していると、こうした努力が全て台無しになってしまいます。

例えば、Uber は不正トラフィックによって100億円の広告費を損失しました。また、先日のアメリカ最大のスポーツイベントであるスーパーボウルでは170億件の広告費がボットにより浪費されています。さらに CHEQ の調査では、ボットによるショッピングカート離脱による E コマースの損失が年間5700億円に達していることが明らかになりました。このような状況は、当然、マーケティングデータや活動にも影響を与えます。不正トラフィックは、マーケティングにおける、KPI の達成や業務の効率化を妨害しているのです。

2. ボットや偽のユーザーによるマーケティング業務の信頼性及び透明性低下

マーケティングプログラムが真に成功するためには、組織内での信頼獲得が欠かせません。営業チームがマーケティングチームから提供されたリードの質を信頼し、経営陣がマーケティング予測の正確さを信頼し、マーケティング担当者自身が見ている数字に自信を持てるとき、マーケティング施策が成功に近づきます。

しかし、不正トラフィックがファネルに流入してしまうと、上記の全てが台無しになってしまいます。偽ユーザーがインバウンドのリードに侵入すると、営業とマーケティングの間に溝が生じかねません。DiscoverOrg の調査によると、低品質のデータにより営業担当者1人あたり約550時間、320万円が浪費されており、その多くは顧客管理システム(CRM)内の不正リードによるものであることが判明しています。また、データに対する信頼性も損なわれています。分析結果が月間200万回のユニーク訪問者数を示していても、その内の25%が不正トラフィックであることに気づいていない場合、将来予測や、予算計画、A/B テスト、キャンペーンの最適化、数値などが全て的外れなものになってしまいます。

3. 不正トラフィックによるレピュテーションリスク

不正トラフィックによる被害は、業務効率や組織内の信頼の低下だけではありません。ボットや偽ユーザーによるマーケティングファネルへの侵入は、風評被害の原因にもなります。最近の Twitter 関連の騒動に見られる通り、大量のボットにより Twitter の評判や株価が低下していることは周知のとおりです。

しかし、風評被害による犠牲者は、Twitter だけではありません。2022年2月には、PayPal のインセンティブ・プログラムが大規模に悪用されていることが判明し、株価が暴落しました。PayPal には450万件もの偽のユーザーアカウントがあり、それらがメンバー登録のインセンティブを不正獲得するために利用されたことが判明したのです。

残念ながら、不正トラフィックはどこにも行きません。ボットや偽ユーザーの存在が一般に知られるようになるにつれ、マーケティングにおける不正トラフィック対策の重要性も拡大しています。最近では多くのマーケティングチームが、自社のファネルを保護するためにセキュリティ予算を計上し、セキュリティ戦略を展開していますが、不正トラフィックの拡大とともに、マーケティングセキュリティの重要性はますます高まるでしょう。

 

元の記事:‘Not In My Funnel’: Three Reasons CMOs Are The Frontline In The Fight Against Bots And Fake Users

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