ボットや偽のユーザーによるデータの汚染が拡大している理由 | CHEQ

CHEQ Raises $150 Million, led by Tiger Global

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大企業や中堅企業の運用コストを考えるとき、人件費、不動産、ベンダー、サプライヤー等への高額な支出はすぐに頭に浮かぶものでしょう。しかし、過去10年間で、データ管理という新たな勘定科目が増加しています。マッキンゼー社による2020年の調査では、「運用コストが5千億円規模の中堅企業は、サードパーティによるデータベースの設計やデータの保管、運用及び利用に250億円以上を投資している」ことが明らかになりました。実際、中堅企業においては、レポートの生成、ビジネスインテリジェンス(BI)、マーケティングインテリジェンス(MI)、データ分析、データ配信等によりデータを有効に利用するためだけに、年間90億円も投資している可能性があります。

データへの莫大な投資は、予算の無駄遣いを防ぐため

2016年に、IBM 社はハーバードビジネスレビューにて、低品質なデータは米国だけでも年間310兆円の損失をもたらしていると見積もっています。また、2018年には、ガートナー社は不正データは1社あたり年間平均15億円の損失の原因となっていると発表しました。データ主導型のビジネスが拡大する近年、不正データが経済全体に与える影響は計り知れません。この結果、ビジネスにおける精度の高い意思決定を実現するために、多くの企業はデータ管理のための投資を拡大しています。この傾向は、2020年から2025年にかけて、7兆8千億円から12兆3千億円へと6割近く増加すると予測されている、データ管理市場の急成長にも現れています。

データへの莫大な投資を脅かす、ボット、偽のユーザー等の不正トラフィックの増加

近年の Web トラフィックの大部分が、クローラー、スクレーパー、オートメーションツール、偽のアカウント、プロキシユーザー、悪意があるボットネット、ハッカー、詐欺行為者、クリックファームによって占められていることは周知の事実です。 2017年、アトランティック誌は、ボットが全インターネットトラフィックの52%を占めていると発表した Imperva 社のレポートを掲載しましたが、実際には不正トラフィックの割合は52%よりも高いのではないかという意見もあります。

データ主導型企業にとって、これはビジネス戦略への脅威となります。Web サイトへの訪問や広告クリック、フォーム入力、新規登録、チャットリクエスト、ページ操作の大部分がボットや偽のユーザーによるものである場合、BI 及び MI チームが利用しているデータは全く信頼できません。2021年のブラックフライデーでは、全てのオンライン買い物客の3分の1以上が偽のユーザーであることがわかりました。 大規模なEコマースサイトのデータ分析において、ユーザーの3人に1人が本物の顧客ではないことに気付いていない場合、現在取り扱っているデータの信頼性を問い直す必要があるでしょう。

データ主導型企業が危険に晒されている理由

直感に反しているかもしれませんが、企業のデータ利用が進んでいればいる程、データの汚染に晒される可能性が高くなります。データの汚染をウイルスへの感染に例えてみると、わかりやすいかもしれません。潜在的な感染経路が多い程、企業全体としての感染リスクも高くなってしまうのです。

次に、一般的な大企業や中堅企業がデータ管理に利用しているシステムについて考えてみましょう。カスタマーデータプラットフォーム(CDP)やデータ管理プラットフォーム(DMP)、BI 及び MI ツール、全ての販売およびパイプラインデータを含む顧客管理システム(CRM)、リターゲティング、類似モデルのためのオーディエンスセグメント等のシステムは寸分も隙がないように見えるかもしれません。しかし、不正ユーザーやボットが一旦流入してしまうと、これらのシステムが利用しているデータベースが汚染されてしまう可能性があります。

例えば、CRM に10%から15%の不正リードが流入していると、営業チームが不正リードへ対応するための時間や、不正リードに関する情報を管理するための費用が無駄に費やされてしまいます。また、不正ユーザーがオーディエンスセグメントに流入していると、収益につながらないユーザーへのリマーケティングや、マーケティング予算の無駄遣い、ファネルの汚染を引き起こします。 更に、BI ツールも、不正トラフィックによるビジネス被害が生まれやすい領域のひとつです。不正トラフィックの流入は、Web トラフィック、コンバージョン、収益、パイプラインに影響を与え、ビジネスの現状把握を困難にします。

推定70兆円の損失を引き起こしているボットによるデータの歪み

ボットや偽のトラフィックによるデータの歪みは、企業の健全性を大きく損なう可能性があります。データの誤差が10%から20%、もしくはそれ以上である場合、収益の予測や、予算や人員に関する計画、ビジネス傾向の把握、マーケティング及び営業戦略の最適化等が 正しく機能せず、ビジネスに大きな被害をもたらします。CHEQ 独自の調査によると、オーガニック及びダイレクトトラフィックの27%が不正であり、大企業や中堅企業は、不正トラフィックによるデータの歪みにより、年間69兆7千億円を損失しています。また、LeadJen 社の調査によると、不良データは、営業担当者1人あたり年間546時間、200万円以上を無駄遣いしています。更に MIT スローンマネジメントレビュー誌は、不良データによる損失は、ほぼ全ての企業における収益の15%から25%に上っていると見積もっています

近年、不正トラフィックやボットは、データ主導型企業の健全性に対する戦略的脅威になりつつあり、多くの企業は、データへの投資を保護し、不良データに影響されないデータ運用を実現する必要性を認識しています。Web サイトにおける異常な行動パターン、通常と異なる時間帯におけるトラフィックの急増、特定の流入元や地域からのトラフィックの増加は、データ運用において警戒すべき兆候です。

最善の対応策は適切なセキュリティ対策を導入することですが、まずは疑わしいトラフィックの傾向、計算に合わないコンバージョン率、通常と異なるリード等、データ汚染の兆候に注意してみてはいかがでしょうか。広告キャンペーンや Web ページ等のデジタルアセットにおいて不正トラフィックの特定や除外を、手作業で始めてみるのも一策でしょう。しかし人間を模倣するように設計されているボットを人力で検知するのには限界があります。正確なデータによる精度の高い意思決定を実現するため、Go-to-Market 向けサイバーセキュリティの導入をご検討ください。無料診断のお申し込みはこちら

 

元の記事: The Great Contamination: How Bots And Fake Users Can Skew An Organization’s Data And Analytics

1米ドル=100円にて換算