スパムによるユーザー登録を防ぐ 5 つの方法
サニャ・トライチェワ
|サイバー犯罪 | 2023年9月13日
オンラインの登録フォームにおいて、スパムによるユーザー登録は大きな悩みとなっています。なぜなら、スパムによる登録によって偽の情報が入力されてしまい、結果として無効なリードやユーザーでリストが溢れてしまうことがあるからです。
スパムによるユーザー登録が行われた場合、そのデータは企業の見込み顧客のリストや分析対象のデータに含まれることになります。そのようなデータを元に分析を行うと、誤った情報をスマートキャンペーンに連携したり、施策の最適化が正しく行われなかったり、営業チームが存在しないリードとの会議準備に時間を費やしたりすることになります。
また、スパムによるユーザー登録が行われると、存在しない宛先にメールを送ることになるため、メールが開かれることがなく、メールマーケティングで期待していた結果が出せないおそれもあります。
このブログ記事では、スパムによるユーザー登録とは何か、マーケティング活動にどのような影響を及ぼすか、そしてそれらを最初からコンタクトリストに取り込まないようにする方法について説明します。
スパムによるユーザー登録とは?
スパムによるユーザー登録とは、ウェブサイトやアプリ、プラットフォーム上で発生するもので、実際には興味がないにもかかわらず、何かにアクセスするためにオンラインフォームに偽の情報を登録すること指します。
例えば、偽のレビューや評価の投稿、マルウェアの拡散、実際のユーザーのメールアドレスの収集などを行うために偽のアカウントが作成されていることがありますが、これらは企業のウェブサイトやアプリ上でも行われている可能性があります。
理由は何であれ、スパムによるユーザー登録は企業のビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。また、コンタクトリストに不要なデータが含まれてしまうことで、広告などのキャンペーンにも大きな影響を与えることがあります。
さらに、これらはさまざまな詐欺攻撃の潜在的な原因となり、ビジネス全体に対してさらに深刻な結果をもたらす可能性があります。
誰が偽のユーザー登録を行っている?
偽のユーザー登録は通常、スパムボットや悪意を持った個人によって行われます。
スパムボットとは、オンラインフォームを自動的に識別し、入力するために設計されたコンピュータプログラムのことを指します。これらのボットはサインアップフォームを見つけると、架空の情報をフォームに入力し、ユーザー登録を行います。
これら偽情報の詳細には、偽のメールアドレスが含まれることが多いですが、サインアップフォームに名前、会社名、ユーザー名などの他のフィールドが含まれている場合、一部のスパムボットはそれらのフィールドにも情報を捏造する機能も持っています。
一方、個人的な利益を得るために偽のユーザー登録を行う人々もいます。例えば、景品の取得や、製品やプロモーション戦略に関する詳細の収集が挙げられます。これらの情報は、競争上の優位を得るために使用される可能性があります。
偽の登録の背後にある動機について
偽リード、偽アカウント、偽フォームフィルの背後にある目的はさまざまですが、多くの場合、マーケティングキャンペーンの妨害、企業への誹謗中傷、個人的な利益のための情報窃取が含まれます。
スパムサインアップが発生する一般的な理由をいくつか挙げてみましょう。
- 偽のレビューと評価。レビューサイトや EC プラットフォームでは、スパムによって作成されたユーザーが製品やサービスの偽のレビューと評価を投稿するために使用されることがあります。これにより、消費者が誤解を受ける可能性があり、ビジネスの評判を損なうことがあります。
- メールアドレスの収集。スパム業者は将来のスパムメールキャンペーンのために有効なメールアドレスを収集するためにアカウントを作成することがあります。これらのアドレスは、他のスパム業者に販売されるか、直接フィッシングメールを送信するために使用されることがあります。
Eftsure によると、2022 年にオンラインで流通していたメールの約 49 %がスパムカテゴリに該当していたことは注目に値します。この事実は、メール収集が有害なメールを蔓延させていることにいかに寄与しているかを浮き彫りにしています。
- 他のユーザーからの個人情報を収集するため。偽のアカウントは、人々にパスワード、クレジットカード番号、自宅の住所などの個人情報を騙し取るための方法の一つとして使用されることがあります。この情報は、なりすましやその他の悪意のある目的のために使用されることがあります。
- アカウントの乗っ取り。一部のスパムサインアップは、盗んだ認証情報やパスワード推測技術を使用して既存のユーザーアカウントを乗っ取ることを目的としています。アクセスが得られると、攻撃者は不正取引や違法な活動、たとえば許可なく盗んだアカウントでオンラインショッピングしたり、データ盗難、なりすましなどをしたりします。
- リード詐欺。これはリード獲得詐欺としても知られており、詐欺師が手動あるいはボットを通じて大量の偽リードを生成することがあります。その結果、これらのリードは企業のパイプラインに流れ込み、コンタクトリストに無効なデータが溢れることになります。
- 収益化。スパム業者は、金銭的なインセンティブを目的としてユーザー登録を行う場合があります。友人紹介ボーナスやタスクの完了に対する報酬などの利益は、一部の人々にとってお金を稼ぐ魅力的な方法です。
スパムによる登録を防ぐ重要性
現代のデジタル環境において、ボットがオンライントラフィックのほぼ半分を占めていることを考えると、偽のユーザー登録が急増していくのは驚くことではなく、その結果として生じる影響は甚大です。
偽の登録やスパムによる登録が阻止されずにデータベースに溢れる状況を想像してみてください。これは企業のメールマーケティングの取り組みに影響を及ぼすだけでなく、販売の流れ、CRM のコンタクト先、そして最終的にはブランドの評判にも影響を及ぼします。
スパムのサインアップやリード詐欺に警戒するべき理由をいくつか挙げてみましょう:
- リストの品質:リストにスパムや偽のメールアドレスが多く含まれている場合、企業のメールがスパムとしてフラグ付けされたり、アカウントが停止される可能性があります。
- 送信者の評判(レピュテーション):無効なアドレスに継続してメールを送信すると、送信者の評判が損なわれる可能性があります。もし、悪質なファイル/サーバーであると判定された場合、メールが受信者のスパムフォルダに入るか、配信されない可能性が高まります。
- コスト効率:大規模なメールリストの維持はコストを増加させる可能性があり、特にメール単位や購読者数に基づいてメールマーケティングサービスプロバイダに利用料を支払う場合には注意が必要です。
- ブランドの信頼:実際の購読者がスパムサインアップによる不要なメールや関連性のないメールを受け取ると、ブランドのイメージが損なわれ、購読解除やクレームが増える可能性があります。
- エンゲージメント指標:スパムボットがフォームにアクセスするのを防ぐことで、本来対象とすべき購読者とのエンゲージメントに集中することができます。これにより、メールの開封率やクリックスルー率などのエンゲージメント指標が改善されるでしょう。
- 法令遵守:スパムによる登録は、CAN-SPAM 法や GDPR のようなメールマーケティング規制に違反する可能性があり、法的問題や罰金につながる可能性があります。
- リソースの節約:スパムによる登録への対応は時間がかかることがあります。偽物や疑わしい購読者を手動で確認し、削除する必要があるかもしれません。これはより生産的で効率的なマーケティング活動を阻害することになります。。未然にスパムによる登録を防ぐことで、貴重なリソースを節約することができます。
スパムによる登録を防ぐ5つの方法
オンラインフォームを保護し、メールリストの整合性を維持するために役立ついくつかの方法があります。
ここでは、ビジネスからスパムボットや詐欺目的のユーザーを遠ざけるためのベストプラクティスをいくつかご紹介します。
1. リアルタイムボット検出ソリューションの使用
サイバーセキュリティツールの使用は、これらのサイバー攻撃を防ぐ最も効果的な方法です。
これらの先進的なソリューションは、高度なオンライン評価を採用して、システムに侵入する可能性のあるマルウェアや不正アクセスなどを特定し、阻止します。ウェブサイト、広告、パイプラインからこれらをブロックする包括的なソリューションの一つに CHEQ が挙げられます。
CHEQ は、オンライン詐欺に対する多層的な保護を提供する AI ソリューションです。これには、ウェブサイトのボット緩和と有料トラフィック保護が含まれています。これにより、ビジネス全体での不正アクセスやスパムによる登録を排除、貴社のウェブサイトを保護することで、マーケティング努力が成果をあげることができます。
2. ダブルオプトインの有効化
ダブルオプトインは、実際のユーザーが登録を完了する前に行う「不要な」面倒なステップの1つです。そのため、多くのビジネスがこれを避けがちです。
しかし、ビジネスとユーザーのセキュリティに関しては、これを必要不可欠なものとして考えるべきです。
これには、通常はメールを通じて行われる初期登録を超える追加の確認層が含まれます。これにより、スパムボットや存在しないメールアドレスがリストに入るのを制限します。
3. ハニーポットの導入
ハニーポットは、ウェブサイトやプラットフォームに隠された罠を配置するために使用されるメカニズムやツールです。これらは、ボットのみが見て記入できるフィールドやフォーム全体を作成します。
高度なハニーポットの中には、ボットが罠にかかった直後に登録をブロックすることができるものもあります。これが当てはまらず、スパムボットがフォームを完了した場合でも、ハニーポットのフィールドから入力された内容が判別できるため、正当なユーザーと簡単に区別することができます。
この方法は、正当なユーザーが罠を見たり触れたりせず、登録がスムーズに進むため、非常に効果的です。
4. レート制限
レート制限は、スパムによる登録を防ぐもう1つの効果的な方法です。これは、特定の時間内に単一の IP アドレスまたはデバイスからの登録試行回数を制限する技術です。
これにより、スパムボットや詐欺師が不正な登録や試行でシステムを過負荷にするのを防ぎます。
5. 追加情報の要求
登録フォームを拡張し、プロフィール写真や簡単な自己紹介などの追加フィールドを含めることができます。ボットは実際の顔のように見える写真や首尾一貫した自己紹介を書くのが苦手であることはよく知られています。
これらを求めることで、ユーザーが本物であることを確認するための追加のステップを踏むことになります。このステップにより、自動化されたボットがプラットフォームに進入するのを防ぐことができます。
まとめ
ボルチモア大学と CHEQ の報告によれば、オンラインのトラフィックのほぼ半分がボットから発生しているそうです。それを鑑みると、オンラインのビジネスがさまざまな方法で不正な活動の影響を受けることは驚くことではありません。
オンラインのサインアップフォームもこの脅威から免れているわけではありません。スパムボットや詐欺師は、ウェブサイトのフォーム、リード生成キャンペーン、またはアプリ登録に簡単に偽の情報を入力することができ、マーケティング努力の効果とオンラインプレゼンスの全体的な整合性を損なう可能性があります。
サインアップフォームにダブルオプトインのようなサイバーセキュリティ対策を実装することでリスクを確実に低減させることができます。しかし、包括的な保護のためには、自動化されたボット保護ソリューションへの投資を検討するべきです。これが、マルウェアや不正アクセスを自動的にブロックする唯一の方法であり、実際のユーザーを失うリスクを最低限に抑え、ウェブサイトを保護する方法です。
オンラインフォームをスパムボットから保護したい場合は、CHEQ のボット緩和ツールをチェックしてみてください。
よくある質問
なぜスパム業者はニュースレターに登録するのか?
スパム業者がニュースレターに登録する理由はさまざまですが、多くの場合、メールシステムを悪用することを目的としています。スパムボットのような自動化ツールを使用して、メールアドレスを収集し、潜在的に有害なメールのリストを作成することがあります。
ニュースレターに登録することで、スパム業者は将来のスパムキャンペーンのためにアクティブなメールアドレスを確認することができます。中には、正規のニュースレターに偽装したフィッシングメールをを送る者もいます。
さらに、彼らは無効なメールアドレスや存在しないメールアドレスをメールユーザーのリストに追加することも目指しているケースがあります。
スパムの登録をどのように削除すれば良いのでしょうか?
すでにスパムの登録によってシステムが影響を受けている場合、メールアドレスの真正性を確認して確認することができます。
メールアドレスの検証サービスを利用することで、リストから偽のメールアドレスを特定し、除去する手助けとなります。これらのサービスは、誤字や無効なドメインをチェックするなど、様々な方法でメールアドレスを検証します。
また、リストが小さい場合は、手動でスパムメールアドレスを削除することも可能です。スパムのように見える、または疑わしいメールアドレスに遭遇した場合は、調査を行い、必要に応じてそれらを削除しましょう。
スパムの登録をどのように識別するのでしょうか?
古い情報や不正確な情報、一つの IP アドレスからの複数の登録、またはプロキシサーバーの使用などのスパムによくある兆候を確認することが有効です。これらの兆候は、サインアップフォームでの潜在的な不正な活動を示唆しています。
さらに、ギフトカードや現金などの一般的でない支払い方法を使用する登録には注意が必要です。通常、正規のユーザーは標準的なオプションを使用します。
また、注意すべきもう一つの兆候は、普通ではないまたはランダムなメールアドレスです。詐欺師はしばしばランダムに生成されたメールアドレスを使用したり、普通ではない文字や数字の組み合わせ、または怪しいキーワードを使用します。例えば、「jklmno1234@gmail.com」というメールアドレスは、「peter.wells@gmail.com」というメールアドレスよりもスパムである可能性が高いです。
偽の登録はメールの配信可能性に影響を与えますか?
はい、偽の登録はメールの配信可能性に悪影響を及ぼすことがあります。偽の登録により、メールがスパムフォルダに振り分けられたり、バウンス率が上昇したりすることがあります。これは、多くのメールが存在しないまたは無効なメールアドレスに送信される場合によく起こります。
これにより、メールサービスプロバイダー(ESP)は、貴社の送信者としての評判が悪いと判断する可能性があり、結果として、実際のユーザーも貴社のメールをスパムフォルダで受け取る可能性が高くなります。