【画像あり】8つの奇妙なクリックファームと その仕組み | CHEQ

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インターネット上で偽のエンゲージメントや不正トラフィックを生成することに特化した業界の存在はすでにご存知かもしれません。簡単に大量購入できる不正クリックは、多くの場合「本物のトラフィック」に偽装して、「いいね」や Web サイトのエンゲージメントを水増しするように設計されています。

大量の偽クリックと偽エンゲージメントを生み出すように設計されたクリックファームは、私たちの意識を侵食しています。例えば、偽情報やフェイクニュースの大規模拡散を通じて、世界経済に年間780億米ドル(約10兆9200億円※1)の損失を与えていると試算されるロシア発のトロールファーム(情報工作組織)は、クリックファームの一形態です。

>> Web サイトのトラフィックの 11.3% はボットやクラッカー※2です。「不正トラフィック 業種別の傾向と予測 2023」にて詳細をご確認ください。

シリコンバレーでさえクリックファームと無縁ではありません。Pied Piper 社は十分なユーザー獲得ができなかったため、クリックファームに報酬を支払って、アプリを使用させることで、ユーザーの関心が急増していることを偽装しました。

クリックファームは知名度が高い一方、実際にどのようなものなのかという画像はあまり出回っていません。しかし、さまざまな種類のクリックファームの摘発は数多く行われており、警察の強制捜査が話題になった事例も1件あります。当記事ではそうした事例をまとめています。

1. タイ:WeChat クリックファーム (2017年)

2017年にタイで3人の中国人がクリックファーム事業の運営により逮捕されました。タイ警察は数百台の携帯電話と約35万枚の SIM カードを押収しました。

クリックファームは、中国で特に人気のあるメッセンジャーアプリである WeChat でのエンゲージメントを水増しするために使用されました。事業は閉鎖されたものの、その原因はクリックファームの違法性ではなく、男性の在留資格、適切な許可のない電子製品の輸入、未登録の SIM カードの使用などでした。

>> CHEQ のセキュリティ診断を利用して、ファネル内にどれだけのボットや偽ユーザーが侵入しているかを確認しましょう。

2. インド:デリーの SNS ファーム(2017年)

フランス 24 による報道では、デリーに訪れた記者に対して、インド人のセールスマンが Facebook 上の企業評価を改ざんする方法を映像で説明しました。これは、年間1520億米ドル(約21兆2800億円)の経済的被害をもたらしている大規模な偽レビュー(サクラレビュー、フェイクレビューともいう)業界の一角です。

報道では、クリックファームの従業員の勤務風景が流れ、エンゲージメントをより現実的に見せるために偽のプロフィールを作成する方法が説明されました。

3. 中国:事務所で勤務する
クリッカー(偽クリックを行う)チーム(2017年)

クリックファームの最も悪名高いイメージのひとつは、中国のとある都市にあるクリックファームを訪れたロシア人男性が撮ったビデオによるものです。映像には事務所内で複数の携帯電話が接続され、似たような操作を実行している様子が含まれています。

このクリックファームは、偽の SNS エンゲージメントを生成し、偽のレビューを書き込むために使用されていると考えられています。

4. 中国のクリックファームが
YouTube と Facebook で公然と広告を掲載(2020年)

クリック ファームを調査している際、YouTube でクリックファームの広告らしきものを発見しました。この「クリック詐欺サービス (Service Click Fraud)」広告は、Facebook、Bing、Google 広告上でのサービス提供が可能であることを宣伝していました。

同サービスの Facebook アカウントでは、少し古い機種の携帯電話がコンピュータに接続されて壁に並んでいる様子が掲載されていました。

サービスについての情報を得るために、問い合わせを行い、広告の閲覧数とクリック数を増やしたい Web サイトがあることを伝えました。

応答した気さくな女性は、そうした行為は可能であり、Google による Web サイトの禁止や、クリックのブロックは起こらないと言いました。このようなサービスは月額100米ドル(約1.4万円)から受けることができます。

5. 中央アジア:Instagram への攻撃(2020年)

2020年9月、Instagram で偽のプロフィールとエンゲージメントを不正作成するための攻撃が、中央アジア、おそらくカザフスタンかアルメニアから行われていることが明らかになりました。

クリックファームは遠隔地から発見されたため画像はありませんが、中央の場所から電話ネットワークを利用して実行されたと考えられています。プロキシサーバー、IP アドレス、および VPN を利用して攻撃の痕跡を隠蔽するため、クリックファームは数万件の偽プロフィールを管理していた模様です。この操作は、Instagram の親会社である Facebook 社に報告され、偽プロフィールは閉鎖されました。

6. 中国:制服着用のスタッフにより運営される
巨大なクリックファーム(2018年)

これまでの事例に驚いた方は、この例の規模の大きさに仰天されるかもしれません。元々 TikTok 発のこのビデオは、おそらく中国にある洞窟のような建物内で何千台もの携帯電話が接続されている様子、また同じ画像やビデオを実行しているコンピューターが設置されている様子を映しています。

映像に映る作業員のほとんどが制服を着ているように見えることは、非常に組織的な業務運営が行われていることを示唆しています。従業員の多くは開放的なオフィスエリアに座って、モニター上でネットワーク化されているように見えるタブレットを操作しており、実際の人間による操作を複数の機器に反映させているように見えます。

7. 中国:有名な「クリックファームレディ」 (2015年)

どの業界にも有名人が必要です。クリック ファームの画像で最もよく出てくるのは、特注の台に載せた携帯電話の列の前に座っているアジア人女性です。この画像は、中国の SNS である Weibo に2015年に投稿された画像が出典元であると言われています。調査では、この女性は中国のアプリストアでのエンゲージメントやダウンロードを操作するために雇われているとされています。こうした詐欺的な手法によりダウンロードランキングのトップ10に入るには、約1万1200米ドル(約157万円)の費用がかかる見込みです。

8. Facebook で宣伝された
家内工業のクリックファーム(2020年)

クリックファームの利点のひとつは、初期準備が比較的簡単であることです。さまざまな携帯電話やデバイス、技術的なノウハウは必要であるものの、知識や能力のある人にとって、クリックファームの運営はかなり収益性の高いビジネスとなる可能性があります。

著者は2020年にクリックファーム業界の関係者数人にインタビューを行いました。インタビューの対象者を探す中で、ケニア、バングラデシュ、米国に至るまで、あらゆる場所で小規模なクリックファームを運営している人々に出会いました。

この記事では、クリックファームが Facebook で自社のサービスを宣伝するなど、家内工業制のクリックファームが健在であることが報道されています。

クリックファームへの注目が必要な理由

クリックファームがマーケティング業界に与える影響を過小評価することはできません。理由のひとつは、不正な流入元のトラフィックによる広告クリックが、企業の広告費を大幅に膨らませているからです。

たった100米ドル(約1.4万円)の投資をすることで、平均的な Web サイト所有者でも毎月収益を不正な方法で拡大することができます。

SNS 上のエンゲージメントに関しては、多くの人がフォロワー数や「いいね」の数により、インフルエンサーやブランドの信頼性を測っています。しかし、それらの「いいね」の大部分がクリックファームからのものだとしたらどうでしょう? 何百万人ものフォロワーを持つインフルエンサーに予算を投資しても、クリックファームに金銭を支払っているだけで、マーケティング効果は全くないかもしれません.

また、人気があるように見えるブランドや商品は、企業がレビューや追加のフォロワーに料金を支払っているだけで、顧客の期待に応えるものではないかもしれません。

偽クリックやクリックファームの拡大は、地道に業務を行っているマーケターの努力を台無しにします。クリックファームによる不正トラフィックのブロックは、リスティング広告や SNS 広告を活用するあらゆるビジネスにとって欠かせません。

CHEQ の Customer Acquisition Security は、すべての主要な検索エンジンおよび SNS プラットフォームで機能し、顧客獲得キャンペーンに悪影響を与えるクリックファームやその他のボット、自動化された偽ユーザーによるクリックをブロックする唯一のソリューションです。

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※1 以下1米ドル=140円にて換算(2023年7月現在)
※2 クラッカーとは:コンピュータネットワークシステムなどに不正に侵入し、悪意をもって他人のデータを盗み見たり、破壊したりする「クラック」(crack)または「クラッキング」(cracking)を行う者。

元の記事:8 Bizarre Click Farms Discovered and How They Worked

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