クリック率(CTR)改善で成果を最大化!Google広告運用の9つの秘訣と実践的アプローチ
Oli Lynch
|マーケティング | 2025年6月27日
Google広告(旧AdWords)に多くの予算を投じるのであれば、それに見合うコンバージョン率を確保したいと考えるでしょう。しかし、広告クリックの単価は決して安くありません。そこで、Google広告やその他のPPCキャンペーンでCTR(クリック率)を向上させるのに役立つ、いくつかの手法をご紹介します。
本記事では、クリック率(CTR)改善に効果実証済みのテクニックをご紹介します。質の高い広告コピーや適切な”緊急性”の演出はもちろんのこと、Googleの各種ツール活用など、CTR改善には様々な要素が重要です。
キャンペーンのCTR向上施策を検討する前に、まず自社サイトで以下の点を整理しておきましょう。
- 広告キャンペーンや主要な商品カテゴリーごとに、適切なランディングページを用意する。
- 自社の入札戦略とそれがCTRに与える影響を理解する。
- ターゲットユーザーを調査し、購買プロセスの各段階における検索行動を把握する。
- リード獲得からコンバージョン育成までの一連のファネル全体を設計し、オーガニックトラフィックやソーシャルメディアなど複数の施策を組み合わせる。
CTR(英文)やPPC入札戦略(英文)について詳しく知りたい場合は、CHEQブログに豊富な情報が掲載されているので参考にしてください。
ここからは有料広告のCTRを引き上げ、コンバージョンを増やすための実践的なヒントを紹介します。
CTRとは?
CTR(クリック率)とは、広告の表示回数に対するクリック数の割合を指します。例えば、広告が10,000回表示されて250回クリックされた場合、CTRは2.5%です。
Google広告のPPCキャンペーンにおける平均CTRは一般的に約2%とされており、これを超えていれば順調な運用と判断できます。2%を下回る場合は改善の余地があるため、次に挙げるCTR向上のヒントを参考に、クリック率を高めていきましょう。
入札戦略はどれを選ぶべきか?
結論から言えば、入札戦略がCTRに直接的な影響を与えるわけではありません。入札戦略は、予算規模とマーケティング目標によって決定されます。
すべてのPPCキャンペーンがコンバージョンを最重要視するわけではありません。例えば、ブランド認知度向上を目的としたCPM(英文)キャンペーンでは、CTAを過度に強調する必要はないでしょう。
Google広告やMicrosoft広告(旧Bing広告)といった主要なPPC広告プラットフォームで選択可能な課金方式には、主に以下のものがあります。
- クリック課金(CPC)
- コンバージョン課金(CPA)
- インプレッション課金(CPM:1,000インプレッションあたり)
動画広告の課金オプションは多岐にわたりますが、中でもCPM(インプレッション単価)モデルが主要です。
それでは、検索結果に表示される広告のCTRを向上させるための重要なポイントを見ていきましょう。
クリック率を向上させる方法
1. オーディエンスを理解する
CTRを改善するには、まずオーディエンス調査が不可欠です。ターゲットとなる顧客のペルソナとデモグラフィックを明確にすることで、効果的なリーチの土台が築けます。
これはなぜでしょうか?適切な調査によって、次の要素が明らかになります。
- 検索意図と言語: ユーザーが購買プロセスの各段階でどのようなキーワードを使用するかを把握する。
- デバイス傾向: モバイルとデスクトップのどちらからの検索が多いかを理解する。
- 購買動機: コンバージョンに繋がりやすい訴求ポイントを見つける。
- 時間帯や季節要因: 検索や購入が発生しやすい時期を特定する。
- 利用ソーシャルメディア: リターゲティングに活用できるプラットフォームを特定する。
一部は直感的に思えるかもしれませんが、オーディエンスの言語や検索行動は必ずしも専門的とは限りません。まずはペルソナとデモグラフィックを把握したうえで、CTR最適化に取り組みましょう。
オーディエンス調査の方法については、別途ガイド(英文)をご参照ください。
2. 強力なCTA(コールトゥアクション)を活用する
Google広告では、CTA(行動喚起)を積極的に取り入れるべきです。「露骨すぎる」「不要」といった意見もありますが、ユーザーは広告文中にCTAがあることを求めているのが実情です。CTAを明記することで、広告を見たユーザーに期待する具体的な行動を明確に伝えられます。
読者の行動を促すCTAには、以下のような例が挙げられます。
- 今すぐ登録
- 今すぐ参加
- 無料で見積もり
- 無料でダウンロード
- 詳細を見る
読者の心理に響きやすい「パワーワード(英文)」をCTAに組み込むと、クリックを後押しできます。
パワーワードの例:
- あなた
- 今すぐ
- 無料
- 新しい
- 高品質
- オファー
- 簡単
- お得
- 限定
- 高品質
これらの言葉をすべて一度に使う必要はありません。1つか2つ選んで自然に組み込むだけで十分効果があります。ユーザーにとってのメリット(速い、無料、簡単、高品質など)と、ユーザー自身に焦点を当てることが重要です。
また、行動喚起(CTA)は、説得力のあるセールストークの最後に配置するのが効果的です。
3. 広告コピーを改善する
クリック率(CTR)向上には、魅力的な広告コピーが不可欠であり、CTRを左右する最大の要因であることは言うまでもありません。しかし、魅力的なコピーを作成するつもりが、意図しない逆効果を招くケースも少なくありません。
具体例として、「hotels」と検索した際の検索結果を見てみましょう(現在スペインにいるため、一部の検索結果はスペイン語で表示されています)。
リストの最上位に表示されているBooking.comは、リスト中でも屈指の知名度を誇りますが、広告コピーが冗長です。プロのコピーライターであれば、「Get」のような確認メッセージの文言や、実際のゲストレビューから「Read」といった単語は削除します。また、桁数の多い数字をそのまま使用すると、流し読みでは把握しづらく、文字数を無駄に消費してしまいます。
対照的に、Hotels.comのコピーは簡潔です。
“Find the perfect hotel for you”
「あなたにぴったりのホテルを見つけよう」というように、「あなた」という強力なパワーワードを使用しています。この「あなた」という言葉は、コンバージョンを促進する効果的なCTAワードです。
CTAを改善するには、言葉の選択と広告文のスキャンしやすさを確認することが重要です。ユーザーは全文を読むのではなく、必要な情報を拾い読みするため、「254万1000軒以上のホテル」と具体的な数字を記載するよりも、「数百万軒から選べる」という簡潔な表現の方が効果的です。
優れたCTAの例をもう一つ紹介します。
Salesforceの検索結果に表示されたZohoの広告は、いくつかの点で非常に巧みです。まず、「リーダー」や「より良い」といった強い言葉を使用し、さらに競合他社であるSalesforceの名前を挙げることで、自社の優位性を明確に示しています。
コピーは短く要点が絞られており、ごく短時間で内容を理解できるため、クリックしたくなるような魅力的な広告となっています。
ボーナス:単語の頭文字を大文字にする
PPC広告では、ほとんどの検索語句で単語の頭文字が大文字になっていることに気づくでしょう。これは、テキストを読みやすくするための工夫です。
以下の2つのPPC広告を見比べてみてください。
後者のSpanishPod101の広告は視認性が高く、一目で内容を理解できます。また、1行で要点を伝えている点も秀逸です。あなたならどちらを選びますか?
4. 広告表示オプションの活用
広告表示オプションは、PPC広告に付加価値を与える機能です。顧客レビュー、所在地、平均価格などの情報に加え、「24時間対応」や「送料無料」といった特典も表示でき、クリック率(CTR)の向上に貢献します。
Googleは広告のエンゲージメントを重視しており、関連性が高いと判断した場合、電話番号やウェブリンクなどの自動拡張を広告文に追加します。
さらに、キャンペーン設定時に手動で以下の広告表示オプションを追加することも可能です。
- 所在地
- 系列店の所在地
- コールアウト(「送料無料」などの訴求文)
- 電話番号
- メッセージ
- サイトリンク(特定ページへの誘導)
- 価格表示
- アプリリンク
これらはすべて無料で設定でき、CTR改善に効果的です。通常のクリック課金とは別に、販売者評価など一部のクリックは課金対象外となる場合があります。
販売者評価が広告に表示される条件は以下の通りです。
- 過去12ヶ月以内に、Google、Trustpilot、Feefoなどの対象レビューサイト*で100件以上の評価を獲得している。
- 対象国に該当している。
- Googleがサイト評価を実施済みである。
*対象レビューサイトには、Google、Trustpilot、Feefoなどが含まれます。
5. カウントダウンタイマーを追加する
最近「007」シリーズをご覧になった方ならお分かりのように、カウントダウンは緊迫感を高める効果的な手法です。PPC広告にこの小さなタイマーを組み込むことで、ユーザーの「見逃し恐怖」(FOMO)を刺激し、クリック率(CTR)を向上させることができます。しかも、その設定は驚くほど簡単です。
広告にカウントダウンタイマーを追加する手順は以下の通りです。
- Google広告にログインし、「広告と表示オプション」を開きます。
- タイマーを設定したい既存のテキスト広告を選ぶか、「+」ボタンをクリックして新しいテキスト広告を作成します。
- 必要であれば広告文を入力します。
- タイマーを挿入したい広告文の位置で「{」を入力し、表示されるドロップダウンメニューから「countdown」を選択します。
- オファーの終了日時を設定します。日付のみ指定した場合、その日の24:00にタイマーは終了します。
- タイマーの開始日時を設定します。この項目を空欄にすると、終了日の5日前に自動的にタイマーが開始されます。
- カウントダウンタイマーは約8文字分を使用するため、広告文の文字数に余裕を持たせてください。
- 「適用」をクリックして設定を保存し、「新しい広告を保存」または「新しいバージョンを保存」を選択して完了です。
このシンプルな設定で、ユーザーのクリックを促し、CTR向上に貢献するカウントダウンタイマー付き広告が作成できます。
6. ネガティブキーワードを活用する
ネガティブキーワードは、広告のCTR(クリック率)を最適化するために不可欠な機能であり、自社の広告を関連性のない検索結果から除外する強力なフィルターとして機能します。適切に設定することで、ターゲット外の検索クエリへの表示を最小限に抑えられます。
例えば、教室でスペイン語を教えている語学スクールの場合、以下のような検索クエリでの表示を目指します。
- <地名>でスペイン語を習う
- 近くのスペイン語講座
- <地名>のスペイン語の先生
一方、オンラインレッスンを提供していない場合は、以下のクエリを除外キーワードとして設定することが効果的です。
- オンラインスペイン語レッスン
- 自分で進めるスペイン語レッスン
- 無料スペイン語講座
このように、表示させたくない検索語句をネガティブキーワードとして登録することで、ミスマッチな検索結果に広告が表示されるリスクを防ぐことができます。ネガティブキーワードの詳細な設定方法については、こちらの記事(英文)をご参照ください。
7. ロングテールキーワードを活用する
CTR向上には、検索ボリュームが比較的少ない「ロングテールキーワード」を積極的に狙うことが有効です。
一般的な短い検索語句は検索回数が多い反面、CTRが低く競合も激しい傾向があります。一方、ロングテールキーワードは検索ボリュームこそ小さいものの、検索意図が明確なユーザーにリーチできる点が強みです。
購入意欲の高いロングテールキーワードの例:
- 「XYZの最適なソリューション」(例:最高のSEOリサーチツール)
- 「XYZの最安プラン/最安サービス」(例:住宅ローン金利の最安プロバイダー)
- 「XとYはどちらが良いか」(例:SemrushとAhrefsはどちらが良いか)
- 「Xの入手先/購入場所」(例:近くでバースデーバルーンを買える場所)
- 「〇〇の方法」(例:リードジェネレーションファネルの作り方)
- 「Xのおすすめ代替」(例:Ahrefsの代替ツール)
「今すぐ決めたい」と考えているユーザーが入力する語句を見極め、広告を表示させることが重要です。価格、品質、距離など、検索動機を正しく理解し、その瞬間に応えましょう。
8. 見出しを改善する
広告の中でも、見出しはユーザーの目に最初に飛び込んでくる要素です。ここに効果的なメッセージを盛り込むことで、Google広告キャンペーンのCTRを大幅に向上させることができます。
クリックを促す見出しの好例として、ロンドンのジム広告を見てみましょう。
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ClassPass® Londonのスタジオ | 今すぐ無料体験を開始
これらの見出しは、ブランド名と所在地を明確に提示し、区切り記号でCTA(行動喚起)を際立たせています。さらに、「今すぐ」「無料体験」といった訴求力の高い言葉を積極的に使用し、ユーザーの興味を引きつけています。
9. 広告コピーのA/Bテスト
クリック率を最適化するには、A/Bテスト(スプリットテスト)(英文)が有効です。複数の広告パターンを作成し、見出しや本文の異なるバージョンを同時に配信して、最も成果の高いものを見極めましょう。
同様に、ランディングページのA/Bテストも効果的です。見出しの表現、画像とアニメーションのどちらがより購入を後押しするかなど、様々な要素を検証できます。
「A/Bテスト」というと2パターンを試すイメージがありますが、予算と運用体制が許す限り、多くのバリエーションを試すことができます。効果の低いクリエイティブは早めに停止し、効果の高いものに投資を集中させましょう。
ボーナスヒント:不正クリックを排除し、ROASを最大化する
これまでご紹介したCTR向上の施策は有効ですが、Google広告のROIを劇的に改善する特効薬は存在しません。クリック数の増加が必ずしもコンバージョンや購入に直結するわけではないからです。
さらに、Google広告をはじめとするPPCキャンペーンには、「不正トラフィック(クリック詐欺)(英文)」という課題が常に付きまといます。
不正トラフィックは決して珍しいものではありません。弊社の調査では、Google検索広告キャンペーンの90%がクリック詐欺の影響を受けています。平均的な不正クリック率(英文)は約15%ですが、業界によっては60~70%に達することもあります。
このような課題に対し、CHEQは世界中のプロのSEM(検索エンジンマーケター)から信頼されています。CHEQは偽装クリックをリアルタイムでブロックし、コンバージョン率とROAS(広告費用対効果)(英文)を改善します。
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