アドベリフィケーションとは？デジタル広告の品質を確保し、ROIを最大化する鍵
Yukie
|Web サイト運用・セキュリティ対策 | 2025年5月29日
適切な広告運用や管理ができていないと、気づかぬうちに広告費が浪費され、ブランド価値が損なわれるリスクもあります。本記事ではこれらの解決策となる「アドベリフィケーション」の基礎を解説します。
アドベリフィケーションとは
アドベリフィケーションとは、「アド（ad）＝広告」と「ベリフィケーション（verification）＝検証」を組みあわせた言葉で、広告を検証する仕組みのことです。業務上においては「アドベリ」とも呼ばれることがあります。自社で配信した広告が適切なサイトに掲載されているか、また適切に見られているかを検証します。
アドベリフィケーションはデジタル広告最適化において重要
アドベリフィケーションの実施は、広告の品質と信頼性の向上に寄与することから、デジタル広告の最適化には欠かせない取り組みです。とくに大規模な広告予算を運用する企業にとっては、その重要性は一層高まります。なぜなら、広告規模に応じてアドフラウドや不適切な掲載による損失額も比例して大きくなる可能性が高く、より綿密なリスク管理が求められるためです。
デジタル広告で確実に成果を上げるためには、優れた広告クリエイティブを作成することに加えて、その広告が「どこで」「どのように」表示されるかを管理することが求められます。しかし、近年デジタル広告に関する不正や詐欺は増加しており、意図しないうちに広告価値が毀損されたり、不正クリックなどによって広告費が無駄になったりするケースも少なくありません。
これらは費用ロスの問題だけでなく、正確なデータ収集にも悪影響を及ぼします。広告がどれだけ見られたかといった成果を示すデータが不正確になり、本当は効果がない広告を「効果がある」と勘違いしてしまうケースもあるためです。
正確なデータを収集できなければ、適切な次の打ち手を決めることは難しいでしょう。また、効果の薄い広告の掲載場所に無駄なコストを使ってしまうことになり、結果として経費増加にもつながります。
アドベリフィケーションを導入・徹底することで、広告配信の実態を可視化し、これらのリスクをリアルタイムで検知・ブロックすることが可能です。さらに、検証データにもとづいたPDCAサイクルを回すことで、効果的な広告運用とROI改善が期待できます。
アドベリフィケーションの仕組みに関わる3つの視点
自社の広告が正しく配信されているかを検証する際に用いるのが、以下3つの視点です。これらは広告費の最適化やブランド保護に直結する要素であるため、それぞれの内容とビジネスへの影響を理解することが大切です。
アドフラウド
アドフラウドとは、botなどで無効なクリックやインプレッションを発生させ、不正に広告費を搾取する詐欺のことです。国内外でアドフラウドの被害が深刻化しており、対策を怠ると広告費の浪費につながります。
広告の表示回数やクリック数が多いのにもかかわらず、商品購入や資料請求などの具体的な成果につながっていないのであれば、アドフラウドの可能性を疑うべきです。アドフラウドの手口は日々巧妙化しているため、人間によるアクセスかbotかを高精度に検証する必要があります。無効なトラフィックを排除することが、ROI改善の第一歩となります。
ビューアビリティ
広告がターゲットに配信されても、実際に視認可能な状態で表示されなければ広告効果は期待できません。そこで重要になるのがビューアビリティ（可視性）の検証です。ビューアビリティは、配信された広告がユーザーの視認範囲内に、一定時間以上表示されたかを示す指標です。
たとえば、ページ下部など視認されにくい位置や、一瞬で消えるような表示、極端に小さい表示では、広告費が発生してもユーザーには認識されません。
デジタル広告を出稿する際は、ビューアビリティを検証することで、適切な広告の掲載場所を確保できます。ユーザーの目に十分とまるように表示されれば、広告の効果が最大限に発揮されます。
ブランドセーフティ
ブランドセーフティは、広告が自社のブランドイメージを損なうような不適切なWebサイトやコンテンツに表示されていないかを検証・管理する考え方です。企業にとってブランドイメージは生命線であり、一度損なわれると回復は容易ではありません。そのため、企業は出稿した広告がどのようなWebサイトに掲載されているかを確認しておく必要があります。
たとえば、暴力的・差別的なコンテンツやアダルトコンテンツに自社の広告が表示されると、ブランドのイメージダウンは避けられません。また、フェイクニュースを掲載するようなサイトに広告が表示された場合、企業の信頼性が低下するおそれがあります。ブランドのイメージや信頼性を保つために、掲載先のコンテンツはしっかりチェックしておきましょう。
アドベリフィケーションの導入とおすすめツール
アドベリフィケーションは、デジタル広告を出稿する企業にとって重要な仕組みのため、導入を検討する必要があります。
これからアドベリフィケーションに取り組むなら、ツールの導入がおすすめです。担当者が目視だけで不正クリックや広告の掲載状況を正確に把握するのは難しいですが、ツールを導入すれば正確かつ効率的に検証できるようになります。
なかでもCHEQは、アドフラウド対策に注目したツールです。無効なトラフィックを排除することで、広告コストの浪費防止に寄与します。
アドベリフィケーション導入による具体的効果
アドベリフィケーションの導入で広告の表示状況を可視化し検証することが可能になり、無駄な広告費の削減や広告のビューアビリティ向上につながります。その結果、費用対効果が高まり、ROI（投資収益率）の向上が期待できます。
botではなく、本当に届けたいユーザーに広告が届くように対策することで、ターゲティング精度が向上することもメリットです。また、適切なWebサイトに広告が掲載されることでブランドの信頼性が向上し、ユーザーに商品やサービスを選んでもらえる可能性も高まるでしょう。
広告を検証してアドフラウド対策を実践すれば、広告詐欺の減少にもつながります。さらに、不正クリックを排除すれば、広告パフォーマンスの正確な数値を測定しやすくなります。
アドベリフィケーションの最新動向
アドベリフィケーション推進協議会が公表した「インターネット広告のリスク調査2023」によると、2018年の調査と比較して、ブランドセーフティやアドフラウドのリスクレベルは低くなっている傾向が示されました。これは、主要なプラットフォームにおける対策強化が進んだ成果だと考えられています。
一方で、ビューアビリティについては、依然として継続的な改善が求められる状況です。掲載されるWebサイトやアプリ環境による差異も大きいことがあり、今後も継続的な取り組みが求められます。
近年ではAIや機械学習などの技術が発展しているため、アドベリフィケーションにおいても自動化や高精度な検証が可能になると予想されています。最新ツールの導入や、信頼できるパートナーとの連携強化、社内体制の整備などもあわせて行うとより効果的です。アドベリフィケーションを戦略的に活用し、その取り組みを進化させていくことが大切です。
まとめ
アドベリフィケーションは、広告効果の最大化に欠かせない取り組みです。3視点での検証やアドフラウド対策で予算浪費を防ぎましょう。まず自社の広告リスクを把握することが対策の第一歩となるため、CHEQが用意する無料セキュリティ診断などを活用し、現状をチェックしましょう。
