ROASとは?ビジネスにおける重要性と最適化する方法
Yukie
|Web サイト運用・セキュリティ対策 | 2025年5月28日
ROASは、広告の費用対効果を測定するための重要な指標です。企業のマーケティング担当者は、ROASがなぜ重要かを認識して、最適化させる必要があります。デジタル広告に関する施策を行う際に押さえるべきポイントや、具体的な取り組み内容を紹介するので、実践する参考にしてください。
ROASとは?ROIとの違い
ROAS(ロアス)とは「Return on Advertising Spend」の略称であり、支出した広告費に対する売り上げの割合です。
ROASとROIは似ていますが、ROASは広告費用回収率を、ROIは投資利益率を表します。ROASは売り上げから計算する一方、ROIは利益から計算するため、投資によって利益が発生しているかどうかを確認できる指標です。
なぜROASが重要なのか?ビジネス成果に与えるインパクト
企業のマーケティングにおいてROASが重要なのは、広告費1円あたりの売上額を計算でき、広告の成果を客観的に測れるからです。ビジネスにおいては、かけた費用に見合った成果を得ることが重要です。広告費をいくらかけることでどのようなインパクトを得られるのかがわかれば、効率的に広告費を活用することが可能です。
データドリブンマーケティングで活用できる
ROASは、データドリブンマーケティングで活用できる重要なKPIです。広告費と売り上げを直結させる指標として、広告の費用対効果を算出することが可能になります。ROASをKPIにする際は、損益分岐点となるROASを把握したうえで、目標とするROASを決めることが大切です。
デジタル広告予算の拡大と多様化に対応できる
近年デジタル広告にかかる予算が拡大し、種類も多様化が進む中にあって、ROASは汎用的な評価基準となります。ROASを用いることで、広告同士の費用対効果を比較できるため、複数の施策の予算配分を最適化できます。より広告効果が高い施策に費用をかけることで、効率的な成果の獲得が可能です。
PDCAサイクルを高速化できる
ROASは広告の費用対効果をシンプルに表す指標なので、施策の実施直後から数値をリアルタイムで把握できます。そのため、評価を速やかに行って改善策を練り、すぐに次のプランを立てられます。PDCAサイクルを高速化させることで、より高い目標に短期間で到達することが可能になります。
商品価値やLTVと密接に連動している
ROASが重要なのは、広告投資にとどまらず、商品の価値やLTV(顧客生涯価値)とも密接に連動しているからです。ROASはもともと1回の購入に対する費用対効果を示す指標ですが、LTVを考慮すれば、顧客が将来的に生み出す売り上げを評価できます。そのため、商品の価値やリピート率を改善するための施策とセットで考えるのは効果的です。
不正対策ができる
指標の確認によって不正対策が強化できるのも、ROASが重要とされる理由です。ROASを定期的に確認していれば、異常値を早期発見しやすくなるため、不正クリックや広告詐欺などへの対策を速やかに実行できます。不正対策ができれば、広告費の無駄遣いや企業の信頼性の低下を防ぐことが可能です。
ROASの計算方法・基準値の目安
ROASの計算方法は、「広告からの売り上げ÷広告費×100(%)」です。例えば、広告からの売上額が500万円で、かけた広告費が250万円だった場合、ROASは200%と算出されます。ROASの基準値は100%であり、100%を下回ると赤字と考えるのが一般的です。
ROASの数値が高いほど、広告の費用対効果が高いと判断できます。しかし、業界によって利益やコストが異なるので、基準値の目安は企業ごとに変わります。
ROASの理想値・目標値の目安
ROASは100%を下回ると赤字と考えられるので、多くの企業は理想値や目標値を200%以上に設定しています。ただし、理想値や目標値は業界ごとに異なるため、企業によってはより高い数値を目指さなければなりません。
業界別の目安としては、サービス業が200〜500%、ECサイトが300〜800%です。高単価の商品を扱う企業は、高いROASを目標とするのが良いとされています。
ROASを最適化させる5つのポイント
1.ターゲットを明確化する
ROASを最適化するためには、広告のターゲットを明確にすることが不可欠です。広告は、関連性の低いユーザーに届けても成果が出ません。関連性の高いユーザーに届けることでコンバージョン率が上がり、ROASの向上につながります。
ターゲットを明確にする方法として、ペルソナの設定が有効です。年齢層や性別だけでなく、家族構成や仕事内容、年収、趣味などの詳細まで設定すれば、ターゲットが興味を持ちそうな広告作成につながります。
2.顧客単価を上げる
ROASを向上させたいなら、顧客単価を上げることも有効です。かける広告費は同じだったとしても、1回あたりの購入金額が高くなれば、ROASは向上するからです。
顧客単価を向上させるには、商品の価格を引き上げるだけでなく、関連商品の同時購入を促したり、定期購入やサブスクリプションを提案してLTVを高めるといった施策も有効です。
3.広告クリエイティブを改善する
広告クリエイティブの改善により、ROASの向上が期待できます。広告クリエイティブとは、広告に使用する画像や動画、キャッチコピーなどの要素です。ユーザーの関心を惹きつける要素にこだわることで、反応が高まります。
高い成果が期待できる広告を見極めるためのA/Bテストを実施することで、広告をより良いものにできます。また、顧客体験の流れであるカスタマージャーニーに基づく設計を見直し、改善することも大切です。
定期的に効果測定を実施して広告を見直せば、ROASの改善につながります。
4.CVR(コンバージョン率)を向上させる
ROASの最適化を目指すなら、CVR(コンバージョン率)の向上も図る必要があります。広告にコストをかけた結果トラフィックが集まったとしても、コンバージョンが低ければ売り上げにつながらず、ROASは向上しないからです。
「CVR=コンバージョン数÷サイト訪問(アクセス)数×100(%)」の計算式に当てはめてCVRが低いとわかった場合は、申し込みフォームまでのサイト導線の改善やCTA(行動喚起)の強化などを行いましょう。
5.アドフラウド対策をする
ROASを向上させたいなら、アドフラウド対策も必要です。アドフラウドとは広告詐欺のことで、手法は多岐にわたります。例えばbotを用いて不正アクセスを行い、クリックがあったように見せかけて、実際には効果が全くない広告費を請求する手法などが含まれます。
そのため、広告費の無駄を省いてROASを最適化するために、アドフラウド対策を講じることが必要です。アドフラウドツールを活用することにより、広告費を最適化しながらセキュリティ対策が行えるので、結果的にROASの向上につながります。
まとめ
ROASの向上を目指すなら、ターゲットを明確にする、顧客単価を高めるなどの工夫が必要です。アドフラウド対策による広告費用の最適化もROAS向上に必要なので、対策ツールの導入がおすすめです。自社のセキュリティに問題がないか知りたい方は、まず現状を知るためにCHEQの無料セキュリティ診断を使ってみてください。