営業チームも不正トラフィックに注意すべき3つの理由
ケリー・コッピンガー
|マーケティング | 2022年10月04日
近頃、不正トラフィックに関する報道が増えています。おそらく最も話題になったのは、 イーロン・ムスク氏が、ボットや偽ユーザーに関する状況が明らかになるまで、Twitter 社との契約を延期したというニュースでしょう。また、インターネット上の61.5%がボットやハッキングのためのツールで人間ではないというツイートも、Salesforce 社の CEO であるマーク・ベニオフ氏を含め、インターネット上の注目を集めました。
このような情報は、テクノロジー関連のニュースに詳しい人であれば、驚くべきことではないかもしれませんが、それでも、次のような疑問が生まれるかもしれません。「不正トラフィックは売り上げに、どのような影響を与えるのだろうか?」
CHEQ による調査では、毎年11兆5000万円もの営業人件費が不正トラフィックにより浪費されていることが、明らかになっています。
なぜこのような事態が起きているのでしょうか? 当記事では、ボットや不正ユーザーなどの不正トラフィックによる、営業チームやビジネス収益への影響を、具体的に説明してきます。
1. 不正リードによる
営業チームの時間の浪費
迅速な対応は、営業活動を成功させるための鍵となります。リードが関心を失ったり、問い合わせをしたことを忘れたりする前に関係を築くため、営業チームは、リードの状況に応じた E メールの配信やフォローアップなど、商品やサービスを購入していただくために、多くの時間とエネルギーを投資しています。
しかし、一旦は購買可能性が高いと思われたリードからの応答が全くないこともあります。このような状況の背景としては、リードが興味を失った、優先順位が変わった、予算がないことに気づいた、または競合他社を選んだという可能性があります。また、そもそもリードがボットや偽ユーザーで、実際にはリードではなかったため、応答がないという可能性もあります。
リードがボットや偽ユーザーであった場合、コンバージョンにつながらないだけでなく、真のリードとのやり取りに使用できたはずの時間も浪費されてしまします。時は金なりと言いますが、リードを装った不正トラフィックは機会損失の原因となっています。
2. ボットによる商品在庫数の不正確化
小売業や、チケット販売業、旅行・観光業、コンサートやスポーツイベントなど、 数量限定の商品を販売する企業では、商品の在庫を把握しておくことが重要です。こうした企業は、売り切れてしまった商品が入手可能であるという誤解を招かないように、また顧客が入手可能な商品を確実に購入できるように、日々業務を遂行しています。
このような企業努力を無駄にするかのように、ボットは、さまざまな方法で商品在庫数を不正確にしています。
このようなボットによる妨害は、例えば、Web サイト上の情報をスクレイピングし、他のサイトで同じ商品を低価格で再販するという形で行われることがあり、ビジネスに過剰在庫や価格の不要な引き下げなどの問題を引き起こします。また、悪意のある人物が偽造カードや期限切れのカードを使用してクレジットカード詐欺を行うと、製品と収益の両方がだましとられてしまいかねません。さらに、実際のユーザーが商品を購入する前に、何千ものアイテムを即座に購入するようにボットをプログラムすることもできます。
ボットはさまざまな手法で、商品やサービスに関する関心が市場にどれだけあるかの判断や、営業計画の遂行を困難にします。
3. 営業とマーケティングの間の信頼低下
多くの営業活動は、マーケティングから始まります。SNS や、検索エンジン、ペイドキャンペーンを通じて、ビジネスとの最初の接点を持つリードは少なくありません。マーケティングチームの貢献は、パイプラインを管理し、収益を上げるために不可欠です。
営業チームは、データベースに表示されたリードが、突然現れたのではなく、マーケティング活動の成果として、ファネルに流入した可能性が高いことを知っています。しかし、偽の名前やメールアドレスを使用しているリードや、見込みがありそうなのに応答がないリードが続くと、営業チームはマーケティングチームが獲得したすべてのリードの正当性に疑問を持ってしまいます。
ボットや偽ユーザーがファネルに流入すると、リードの品質が低下し、チーム間の信頼も低下してしまいます。
このような状況を打破するため、Go-to-Market セキュリティの導入が拡大しています。営業チームとマーケティングチームの業務が不正トラフィックによって妨害されないようにしましょう。